最高裁判所第一小法廷 昭和29年(あ)2350号 決定 1955年2月17日
主文
本件上告を棄却する。
理由
弁護人横田武、同吉田勧及び同飯塚信夫の上告趣意は違憲をいうが、その実質は単なる訴訟法違反の主張を出でないものであって(原審が、所論検察官の尋問は特に不当なものとは認められないし、被告人又は弁護人から右尋問に対し何ら異議を述べた形跡も認められないから、第一審が自由な判断によりこれを採用して断罪の資料としたことは違法とは認められないと判示したことは正当である。)、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。また記録を調べても同四一一条を適用すべきものとは認められない。
よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 入江俊郎 裁判官 真野毅 裁判官 斎藤悠輔 裁判官 岩松三郎)